春雪
「雅輝が二股とか絶対にありえないから!」
事情を話す私の言葉に隼人君がものすごい勢いで否定する。
「しかし七海の携帯番号を知ってて、クリスマスの予定を知ってるってことだろ?」
「うーん」
「雅輝くんは優しいから私と別れたいってずっと言えなかったんだと思う」
私は自分の気持ちを隠すことはなかった。
よく聞く恋の取引は私にはむずかしずぎる。
だから、雅輝くんに私の気持ちはわかったはず。
優しい彼は別れをどう切り出すのか悩んだのかもしれない……。
「ない!絶対にない!雅輝って自分の意思を頑なに貫く性格なんだよね。とにかく嫌だと思えばそれを我慢するような性格じゃないよ」
隼人君は思いっきり否定したけれど、私と付き合う事にになった時が思い出される。
あの時も私と付き合っちゃえと言うみんなに、最初は冷たく『くだらないこと言うな』の一言だった。
でも何度かはやしてるうちに私がそれでいいならと、めんどくさそうに折れた形で付き合うことになったことを考えると、とても絶対に意思を曲げない性格だとは思えない。
「私と付き合うことになった時、雅輝くん最初は嫌がってたのに結局私と付き合ったでしょ?」
「ああ。あれは雅輝も七海ちゃんのこと好きだったからだよ」
「え?」
私のことを好きだと聞かされ驚いてしまう。
隼人君はさま気くんからそう聞かされてたのだろうか?
「中学の時、ちょっと家庭で色々あってさ。それから急に女の子に冷たくなったんだよね。前に話したと思うけど女性不信と言うか……。女の子を見る目がちょっと気になるくらいにね」
「……」
彼はわりと無口な方で、あまり自分の事や気持ちなんかを話すのを嫌がる。
だから雅輝くんの情報は幼馴染でもある隼人君からばかりだった。
「最初は七海ちゃんを見る雅輝の目も他の女の子を見るのと変わらなかったんだけど、みんなと一緒に遊んでいるうちに、雅輝が七海ちゃんを目で追っていることに気づいたんだ。それに気づいてからよく見てたんだけど、七海ちゃんを見る雅輝の瞳が時々ふと優しく緩むんだ。あんな雅輝見たのは初めてだった……。それに七海ちゃんだけには雅輝のヤツ何かと世話してたでしょ?」
そう言われて記憶を探ってみる。
友達だった頃、いろんな所へ出かけた。
困っている時々と雅輝くんが助けてくれたことを思い出す。
さりげなく黙って差し伸べられる手。
雅輝くんのそんな控えめな優しさに私は惹かれたのだ。
そんな優しい手が私以外に差し出すことがあった?
必死に記憶をさらっても思いだすことが出来ない。
もしかして本当に私だけを助けてくれていた?
「雅輝の特別が七海ちゃんだってことは付き合いの長い俺にはすぐわかったよ。だから七海ちゃんが雅輝を好きだって知って2人に付き合うように薦めたんだ。それに、もう1年近くも付き合ってきたんでしょ? 七海ちゃんが好きじゃなかったらそんなに続くわけないよ」
「そう……なの、かな……」
「それにさ。相手を傷つけたくないから二股?そんなことが優しいって言える?他に好きになった女性がいるなら相手を傷つけてもちゃんと別れる。それが本当の優しさなんじゃないかな?だから雅輝が二股なんて絶対にありえないよ」
「……」
「本当に優しいと言うのなら好きでもない子と付き合うべきじゃないと思うよな?」
そっと私の頭を先輩が撫でる。
今まで一度も好きだとは言われてたことはない。
けれど、定期的に会うデート。
こっちが送らなくても雅輝くんから送ってくれる短いメール。
手を繋がないけれど、私が腕を絡ませても嫌がったことはなかった。
体を繋げる時、彼はまず私を気持ち良くしてくれいつも気遣ってくれた。
言葉はないけれど、ちゃんと恋人同士だった……。
思い出せば幸せな恋人同士の思い出ばかりだった。
事情を話す私の言葉に隼人君がものすごい勢いで否定する。
「しかし七海の携帯番号を知ってて、クリスマスの予定を知ってるってことだろ?」
「うーん」
「雅輝くんは優しいから私と別れたいってずっと言えなかったんだと思う」
私は自分の気持ちを隠すことはなかった。
よく聞く恋の取引は私にはむずかしずぎる。
だから、雅輝くんに私の気持ちはわかったはず。
優しい彼は別れをどう切り出すのか悩んだのかもしれない……。
「ない!絶対にない!雅輝って自分の意思を頑なに貫く性格なんだよね。とにかく嫌だと思えばそれを我慢するような性格じゃないよ」
隼人君は思いっきり否定したけれど、私と付き合う事にになった時が思い出される。
あの時も私と付き合っちゃえと言うみんなに、最初は冷たく『くだらないこと言うな』の一言だった。
でも何度かはやしてるうちに私がそれでいいならと、めんどくさそうに折れた形で付き合うことになったことを考えると、とても絶対に意思を曲げない性格だとは思えない。
「私と付き合うことになった時、雅輝くん最初は嫌がってたのに結局私と付き合ったでしょ?」
「ああ。あれは雅輝も七海ちゃんのこと好きだったからだよ」
「え?」
私のことを好きだと聞かされ驚いてしまう。
隼人君はさま気くんからそう聞かされてたのだろうか?
「中学の時、ちょっと家庭で色々あってさ。それから急に女の子に冷たくなったんだよね。前に話したと思うけど女性不信と言うか……。女の子を見る目がちょっと気になるくらいにね」
「……」
彼はわりと無口な方で、あまり自分の事や気持ちなんかを話すのを嫌がる。
だから雅輝くんの情報は幼馴染でもある隼人君からばかりだった。
「最初は七海ちゃんを見る雅輝の目も他の女の子を見るのと変わらなかったんだけど、みんなと一緒に遊んでいるうちに、雅輝が七海ちゃんを目で追っていることに気づいたんだ。それに気づいてからよく見てたんだけど、七海ちゃんを見る雅輝の瞳が時々ふと優しく緩むんだ。あんな雅輝見たのは初めてだった……。それに七海ちゃんだけには雅輝のヤツ何かと世話してたでしょ?」
そう言われて記憶を探ってみる。
友達だった頃、いろんな所へ出かけた。
困っている時々と雅輝くんが助けてくれたことを思い出す。
さりげなく黙って差し伸べられる手。
雅輝くんのそんな控えめな優しさに私は惹かれたのだ。
そんな優しい手が私以外に差し出すことがあった?
必死に記憶をさらっても思いだすことが出来ない。
もしかして本当に私だけを助けてくれていた?
「雅輝の特別が七海ちゃんだってことは付き合いの長い俺にはすぐわかったよ。だから七海ちゃんが雅輝を好きだって知って2人に付き合うように薦めたんだ。それに、もう1年近くも付き合ってきたんでしょ? 七海ちゃんが好きじゃなかったらそんなに続くわけないよ」
「そう……なの、かな……」
「それにさ。相手を傷つけたくないから二股?そんなことが優しいって言える?他に好きになった女性がいるなら相手を傷つけてもちゃんと別れる。それが本当の優しさなんじゃないかな?だから雅輝が二股なんて絶対にありえないよ」
「……」
「本当に優しいと言うのなら好きでもない子と付き合うべきじゃないと思うよな?」
そっと私の頭を先輩が撫でる。
今まで一度も好きだとは言われてたことはない。
けれど、定期的に会うデート。
こっちが送らなくても雅輝くんから送ってくれる短いメール。
手を繋がないけれど、私が腕を絡ませても嫌がったことはなかった。
体を繋げる時、彼はまず私を気持ち良くしてくれいつも気遣ってくれた。
言葉はないけれど、ちゃんと恋人同士だった……。
思い出せば幸せな恋人同士の思い出ばかりだった。