キミと、ピエロ的恋愛遊戯。
人はぱっと見で、相手の勝手な印象を作り上げる奴がいる。

俺ももれなくその一人。


例えば、俺の中での三神奏良。


一言で言うと、真面目ちゃん。
んで、学年トップの優等生。
先生には好印象を与えてしまう、生活態度のイイ先輩。




「千春のいたずらの標的にされちゃいそうな先輩だよね。」

俺の横で、本なんて読みながら、悪友の一人、トーマが呟いた。

可哀相とか言いながら、顔はちっとも哀れんじゃいないぞ。


「でもよ〜、あんまり真面目過ぎるってのもなぁ。」



机に突っ伏して、溜め息をついていると、廊下から、呼び出しが。

行ってみると、3年の先輩。
そして、いきなり肩に手を置かれて、

「おめでとう!黒宮千春。」
なんて満面の笑みで喜ばれた。
怪しさ満点だ。

「おめでとうって、何がですか?」

先輩は、待ってましたと言わんばかりに、自分の肩から手を離して、説明を始めた。
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