バッドエンドにさよならを
「なあんだ!井上の友達か!俺も井上の友達でさ、プリント届けに来たとこ。」
さっきまでの表情とは打って変わって笑顔になる。
「最近サワと連絡つかんくてさ、心配になって来たんだけど。サワいないん?」
「いないぽい。学校もずっと来てなくて。俺井上と一番仲いいから毎日プリント届けに来てるけど、いつもいない。」
「そうなんや。母さんは?」
「そういえば母さんもいつも出てこないなあ。最近常に留守って感じ。」
サワは大丈夫なのか?もしかして何か事件に巻き込まれたとか。母さんもいないってことは2人そろって何か危ない目にあってるのではないだろうか。
連絡もとれないからどうすることもできない。このままここで待ち伏せるか?
「あ、ごめん。名前聞いてなかった。教えてよ。俺は鹿島翔也。」
「ああ、俺は今岡ユウ。」
鹿島は人の良さそうな笑顔の持ち主だ。