バッドエンドにさよならを

「鹿島、時間大丈夫か?」

「え、うおっ!もう10時過ぎてんじゃん!俺帰らなきゃだけど、今岡、ひとりで大丈夫?」

「おん。ありがとな。」

「いやいや。井上と会えることを願ってるぞ。」

「さんきゅ。」

「お代ここに置いとくから。」

「おう。」

鹿島はカバンを抱えて店を後にした。

「はあ…」

ひとりになった途端、心細くなった。

知らない地で、会えるかわからない友人を待って、しかもそいつの安否もわからなくて、不安で仕方なくて机に顔を伏せた。

「今岡!」

帰ったはずの鹿島の声に顔を上げた。

「どしたん?忘れ物…」

「っ!ユウ…」

鹿島の後ろにサワがいた。

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