バッドエンドにさよならを

「ほんとは母さん、、僕のこと許してくれてないんだ。まあ僕は母さんの大事な人を奪ったんだから自業自得なんやけど。」

「サワ…」

「今、僕と母さんをつなげてくれるのはお金しかない。バイトやめたら僕の存在価値がなくなる。」

「サワ、もういい…」

「おかしいね。母さんが幸せならそれでいいはずなのに、自分の存在価値求めるなんて。俺は殺人犯なんだから幸せになっちゃいけないのに、母さんに認めてもらいたくて、母さんと一緒に生きたいとか思って、」

「…サワ、帰ろう。おばさんのとこで暮らせばいいよ。また一緒に学校行こう。」

何かが切れたかのように涙を流すサワ。

「サワも幸せになっていいんだよ。でも、母さんと一緒には幸せになれない。だからもう、バイバイして帰ろうや。みんな待っとる。受け入れてくれるから。」

サワは小さく頭を縦に振った。

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