バッドエンドにさよならを

「…お礼、してもらえば良かったのに。」

「そんな大したことしてないもん。」

「命懸けで人助けるなんて大したことやん。」

「純粋な気持ちであの子助けたんやないから。お礼される資格なんてないの。」

サワは自嘲気味に笑った。

「純粋じゃないって、どういうこと?」

「今線路に飛び降りたら死ねるなーって。」

「…は?」

「あの子助けて死んだら、みんなの記憶に残ったまま死ねるから。」

…意味がわからない。

「あ、でもユウが助けてくれたんは感謝しとるよ。ありがとう。」

…なんだこいつ。

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