それでも君が好きだよ
「柏原くん、私の事なんて
本当は嫌いなんだろうな…。」
そう思うとよりいっそう胸が痛んだ。
この胸の痛みは何だろうか…。
答えなんて見つからないまま
私は眠りについてしまった。
―――そして、柏原くんとの間にできた
気まずい空気を耐えて土曜日の
夜がやってきた。
<ピーンポーン…>
と鳴り響くインターホンの音に
思わず反応する。
『なんで来たの…。』ってね…。
インターホンに写ったのは
真っ暗な夜に吸い込まれそうな位
真っ赤な瞳をした柏原くんだった。