椿ノ華



「椿」


名前を呼ばれ、ロールスロイスから降りる。

差し出された手を握った。


「お前は黙って俺の後ろに着いて笑っていろ。

お前に関しての質問にも俺が答える」

「はい」

「白い目で見られても陰口を言われても黙っていろ。

表情に出すな」

「…はい」

やっぱり、そういう事もあるのかな…

「極力俺から離れるな、いいな」

「はい、お兄様」

「行くぞ」


手を引かれるまま、葵に着いて行く。



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