そらいろ

騒がしい教室が嫌いなのだと彼女は言う。
家族と一緒にいられないのも嫌なのだ、と。

それはつまり、1人が嫌いだということなのだろうけれど、きっと瑞姫本人は気付いていない。
だから透も言う気はない。


「おーい透ー? どうしたよ、ぼーっとして」
「ああ……悪い、寝不足」
「え、何、何で寝不足? 宿題やってたの?」
「馬鹿言うな。お前じゃないんだから」
「はあ? 俺が宿題やってきてる訳ねぇじゃん」
「……あっそ」


まあ、確かに……このハイテンションは辛い、かもしれない。
久々に会うクラスメートにテンションが上がっている人が多いようだ。

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