そらいろ

「透、入るよ」


ドアを開けたのは、3つ年上の義兄だった。


「兄さん。どうしたの?」
「簡潔に言うと、瑞姫のことなんだけど」
「ああ……過保護だな、兄さんも」


どうせあの人付き合いの苦手な瑞姫がどうの、という話だろう。
冬休みも明けた今、瑞姫のことと言えばそれくらいしか話題がない。
多分。


「過保護って……それは透じゃない?」


柔らかく苦笑いを返され、それもそうかと納得した。

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