明日ここにいる君へ




「俺ん中では仲良くなったつもりだったのに…学校ではあんな感じだったろ?明らかに俺だけ。そりゃあヤキモチも妬くって。」




「………。ごめんなさい。」



「素直か!ここで謝られるとは…。」



「……うん。えーと…、それは多分、アンタのことだけ妙に意識していたからだとちょっと自覚あったから…。苦手っていうか、私にとって、アンタみたいな人は初めてだった。だからこう…、接し方が分からず無意識に……。」




「……嫌われてんのかと思った。」



「登坂悠仁を嫌うような人は…多分いない。」




「………アンタは?」



「嫌いじゃない。」



「……苦手?」




「…もう苦手でもない。」




「じゃあ……、好き?」




「す……。…………。」




「……。だよなあ、さすがに誘導尋問にはひっかからないか。」




……言える…



訳がない。





「興味あるけどね。好きになる男。確か…大人っぽい人が好きなんだっけ?……宏大みたいな。」



「…聞いてたの?!あれは……違うし。」



「そうなんだ。まあ、でも。本当にそうなら…、ちゃんと教えろよ?そん時は協力してやるから。」




「……え。ああ…、うん。」




……アンタの方が……

何もわかっていないね。

「あ、ねえ。…登坂は?気になるって…好きってこと?」

「え?」

「え?…って、ナニその反応」

「聞かれると思ってなかったから。待って、ちょっと考える」

「そこ、考えるトコ〜?」

「10秒ちょうだい」

「仕方ないな。10〜、9〜…」

「ウソ、数えるんだ?」

「8〜〜…7〜」

「………」

「6〜、5〜4〜…」

「………」

「3〜2〜…い〜ち、」

「…好き、……ていったらどうすんだよ」

「え。」

「あのね。そうは答えないんだろうな〜っていう浅はかな考えが透けて見えてる」

「…そう?」

「ちゃんと聞きたくなったらもう1度聞いて。それまでは……深く考えずに、一緒にいよう」







でも……



まあ……、いっか。



明日からは。



きっと…



違う毎日が始まる。






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