アイソメ理論
雪がきみの色になる


陸に足を降ろした刹那


じわり

胸に何か熱いものが広がって、涙は出ないのに苦しくなった。


履いてないも同然の、ボロ布めかしい靴の裏から感じる砂の感触は昔から全然変わってなくて

だけど、何年も、何十年も変わらない風景がかなしかった。


周りのみんなは、キサは、
何を考えてるだろうか


存在しない政府
あちこちに潜む海賊や盗賊
民は貧困に命を落とすばかり

誰か、この国を救おうとしてくれている人がいるのだろうか。

それすらも分からない


「……ただいま」


寂れ、荒廃した わたしたちの
かなしい かなしい

ふるさと

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