LOVE BOX~光を探して~



私たちが、離れる事を決めてから一週間。



引越しの日々が毎日近付く中、日に日に殺風景になっていく部屋で、アツシは狂ったように私を抱く。



愛情を刻み込むように。



体の熱の全てを伝えるように。



そんな熱い熱い気持ちが、心の中へどんどんと溶け出していく。



これは……ある意味新しい呪縛の始まり。



アツシの注ぎ込んだものが、一人になったあと更に熱を帯びるなんて事知らずに……私もまた、彼への愛情として一度も拒む事無く全てを受け入れ続けた。



「じゃあ明日の昼間出て行くから……」



今日からは、お互い実家へと戻る。



19歳の夏、私は3年ぶりに自分の部屋へと帰ってきた。



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