お嬢様の秘密Ⅱ
案内されること、5分。


建物内は侵入者が入っても逃げられないように、とても複雑。


隠し仕掛けとかありそう……。


「こちらでございます。」


広大さんが私を中に入れようとすると、部屋の前にいた背広の人に止められた。


「広大さん。こちらの方は………。」


「無礼を申すでない。旦那様が緊急でお呼びの方だ。……お嬢様、こちらの執事はまだまだ未熟者でして……。

申し訳ありません。」


「いいえ………。お気になさらずともよろしくってよ。私だって新参者ではなかったかしら?」


「お心遣いに感謝いたします。お前ら、お通しせよ。」


「かしこまりました。」


私の顔って……知られていないのね。


真理亜に素性をバラされた時、一気に広まってしまったと思ったのに………。


情報統制をしてある程度の情報流出に留めたのね………。




通された部屋………天井が30階まで吹き抜けになっていてとても広い空間。


あの………部屋の中央にいらっしゃるのが………


「初めましてだな。よく来たな………ユリ。」





秋本グループ会長にして私の祖父である、秋本誠一郎。


私の体を射抜くような厳しい視線を向けていた。





< 113 / 318 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop