お嬢様の秘密Ⅱ
「ユリの意はしかと聞き止めた。これからは私が公認する孫だ、ぜひ頼ってほしい。」


「分かりましたわ、お祖父様。」


「まだ発表はされていないが、ユリが学園に戻るときに自分の口から説明すると良いぞ。

それではこれから会議があるから失礼する。」


広大さんは私にさっと頭を下げ部屋を出て行った。


「一通り挨拶は終わりました。帰りましょうか、葵様が心配していらっしゃいます。」


「そうね。」






私たちも部屋を出ようとしたとき………。


「あれ?なんでここに理央が?今仕えているのは俺ん家だろ?」


どこかで聞き覚えがある声………。


下を向いていた私は顔を上げ、相手の顔に焦点を合わせると………。


「ええ。用事で今日はこちらに来たんですよ。」




理央が丁寧に挨拶しているこの人は……。


「お、お父さん………?」


「ユリ、ずいぶん大きくなったな………久しぶり。」


ずいぶんと久しぶりに見た………私の父だった。


「大樹様?お知り合いなのですか?」


部屋の前で警備をしている執事たちが不思議そうに尋ねた。


そっか、まだ私のこと喋っていないんだ。


「俺の実の子供。時が来るまであまり表には発表してないから喋んなよ?」


ニヤッと笑った笑顔は………なんとなく黒く感じた。


執事さんたちのビビり方がすごかったので、私は2人の手を引っ張ってその場から離れることにした。
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