お嬢様の秘密Ⅱ
ある日突然また新たなニュースが。


1学年下のAクラスに新たな転校生が来ると朝からもっぱらの噂だった。


「嫌な予感しかしないんだけど、ユリ。」


「うん………それと1学年下のAクラスといえば志穂ちゃんがいるクラスだよ。」


「志穂ちゃんは素性を明かしていないからまだセーフだっていう報告が来たよ。」


「志穂ちゃんだけは守らないとね。」


広大さんがいつものように教室のドアを開けると………





「Hello!真理亜お姉様!先日留学先から戻りました。」


「あら夏海さん!お久しぶり!会いたかったわ。」


挨拶のハグを教室のど真ん中………私たちが来るタイミングを見計らったかのようにやっていた。


「ユリ、挨拶なさい。」


「お初にお目にかかります。秋本ユリです。」


真理亜の隣の女の子は馬鹿にした目で私を見てきた。


ゆるくかかった金髪に藍色の目のハーフ。


………黙っていれば良い子そうなのに………


「おじ様もなんで下賤な女を嫁にしたのかしら。庶民は庶民よ。目障り。」


……お父様に言いつけてやろうか。


幸い誘拐事件以来何かあったときのために常にテープレコーダーはONだ。


「しょうがないわね。名乗ろうじゃないの。私は秋本夏海。誠一郎大叔父様の妹の孫。あなたのはとこね。」


ふんと顔を背けて教室から出て行った。
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