お嬢様の秘密Ⅱ
「失礼します。」


「亮治か、話は聞いておるぞ。」


少々厳しさも感じる祖父だが仕事モードの時だけだ。


今目の前にいる祖父はくつろいでいて優しそうな雰囲気を味合わせてくれる。


「学園の件か?」


「ええ。出番ですよ、お祖父様。詳しくは俺も聞いていませんけど。」


「そうか………。で、莉依紗の様子は?」


「ユリ様に関してだけは私情を挟んで判断しているように感じましたが。」


「鬼の警視正という異名は何処へやら。………わしもそろそろあの子にネタばらしをせねばいかんな。」


「………旗当番のおばさんと一緒に交通課のお巡りさんとしてパトロールしていた件ですか?」


「………知っていて黙っていたのか。」


「本物の交通課のお巡りさんがビビりまくってて面白かったですし。」


誰のためのパトロールなんだか。


「とりあえず、莉依紗に会おうか。今からしばらく学園に滞在しても良いか?」


「いいですけど大丈夫なんですか?」


「………莉依紗の偏りかけている思考を直さなければ。」


お祖父様は一体何を知って………?


「………長居は無用だな。正明、あとは頼んだぞ。」


「かしこまりました、“なんとか”いたしましょう。」


今野さんの名前は正明さんっていうのか………。


不機嫌そうに笑っている正明に背筋が凍りつく様に感じた。


-亮治side end-
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