お嬢様の秘密Ⅱ
「ユリ、行ってらっしゃい。」


支度が終わったので挨拶をしに真理亜様の部屋に伺った。


「行ってまいります。お姉様はどうなさるおつもりですか?」


「私は学園に残るわ。………私がいないと動向が読めないでしょう?」


苦笑いをしながら冗談混じりで話した。


「………そうですね。それと、お姉様は婚約の話はどうなさるつもりですか?」


一応聞いておかないとこれからの対応ができない。


「………私は……だから構わないわ。でもここ以外では今まで通りがいいのよね?」


「………そうしてほしいです。全てを片付けるまで。」


真理亜様は私に近づき手を出した。


「はい、握手。………長年の因縁に巻き込まれるのはもうたくさんね。」


真理亜様の言葉は現実味を帯びている。





「ユリ、浅井が来たから行くぞ。………真理亜、そろそろいいよな?」


「ええ。ユリとお幸せに。」


「お前もな。………楽しめよ?」


なんだろうこの会話。


付き合う気はなかった2人だからこんなにあっさりとしているのかな。


「その分だとユリと和解したのかしら?………前泣かせてしまったから。」


そうだ、警戒心をなくして………計画がばれてしまう………。


「その点についてはいずれ分かる。」


今の真理亜様なら味方になってくれるはず。




………たまには信じてもいいですか、お姉様?





< 217 / 318 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop