お嬢様の秘密Ⅱ
は....?


「盗み聞きがバレてしまったのか....。」


「あなたの性格を考えたらわかるわよ。」


「俺をはめたのか?!お袋。」


ドッキリってことか....?


「いいえ。本当よ....ドッキリではないわよ。あなたにいつか話そうと思っていたのだけど.....。


私は昔からいろいろな持病を持ってて、あなたを産んだときはまだ大丈夫だったのだけど、年を重ねるにつれて心臓が弱くなってしまったのよ....。」


「そうなのか?親父。」


「あぁ。お前にあと少し日本にいろと言ったのは、婚約者のことでは無く.....。


奈々子、お前の口から言ってくれ.....。」


「持病を黙っていてごめんなさい。私は....倒れてすぐに受けた検査でガンを持っていることが発覚したの。


大樹が高校を卒業する姿は見れないかもしれない......。」


おい....


「うそだろ.....。」


「ほんとよ、大樹。」


「なんでお母様は....お袋はそんなに落ち着いていられるのかよ!」


「私だって平気じゃないわ!!」


「お袋.....。」


「やっとお袋って呼んでくれたわね....。親父って呼ばれてる誠ちゃんが羨ましかった。私には親しげに呼んでくれないのかって....。

私は悔しいのよ。


大樹はもう海外の大学を出てるけど年相応のことを何一つやらせてあげられなかった。だから日本の学校にもう一度通ってもらって、友達を作って青春を謳歌して....。

大学を卒業して、結婚して、孫を抱いて.....。


そんな大樹の姿はもう見れないの....。」


お袋.....。

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