お嬢様の秘密Ⅱ
鼻にかかる臭い………
医務室かしら………
「起きたか?莉依紗。」
大樹が心配そうに覗く。
起きようとして体を起こしたけれど案の定ふらついてしまった。
「寝てろよ。軽い貧血らしいから。」
大樹はあの子のこと知ってるの?
「大樹、教室で話しかけてきたあの子って………。」
一瞬大樹がピクッと止まったような気がした。
「落ち着くまでは教えることはできない。」
いつになく返ってきた声は冷たかった。
「今宵って?」
「お前の記憶が戻ったら話す。」
そうやら何聞いても教えてくれなさそう。
というより話す気がなさそう。
「まあまあ大樹様。莉依紗様はすぐに回復されると思いますので大丈夫ですよ。」
安藤学園長………ここでは安藤先生が苦笑いをしながら答えた。
「莉依紗様。頭痛の原因は精神的ショックです。無理に記憶に刺激を与えないでください。」
「分かりました。気をつけます。もう部屋に戻ってもいいですか?」
「はい。大丈夫でございますよ。」
「莉依紗、俺の首に腕を回せ。」
「こう?」
大樹の顔がどアップ………恥ずかしすぎる。
大樹は私をひょいっと抱っこした。
「行くぞ。しかしお前は軽いな。」
「お願いします。軽くないわ。」
そんな私たちの様子を学園長は微笑ましく見ていた。
医務室かしら………
「起きたか?莉依紗。」
大樹が心配そうに覗く。
起きようとして体を起こしたけれど案の定ふらついてしまった。
「寝てろよ。軽い貧血らしいから。」
大樹はあの子のこと知ってるの?
「大樹、教室で話しかけてきたあの子って………。」
一瞬大樹がピクッと止まったような気がした。
「落ち着くまでは教えることはできない。」
いつになく返ってきた声は冷たかった。
「今宵って?」
「お前の記憶が戻ったら話す。」
そうやら何聞いても教えてくれなさそう。
というより話す気がなさそう。
「まあまあ大樹様。莉依紗様はすぐに回復されると思いますので大丈夫ですよ。」
安藤学園長………ここでは安藤先生が苦笑いをしながら答えた。
「莉依紗様。頭痛の原因は精神的ショックです。無理に記憶に刺激を与えないでください。」
「分かりました。気をつけます。もう部屋に戻ってもいいですか?」
「はい。大丈夫でございますよ。」
「莉依紗、俺の首に腕を回せ。」
「こう?」
大樹の顔がどアップ………恥ずかしすぎる。
大樹は私をひょいっと抱っこした。
「行くぞ。しかしお前は軽いな。」
「お願いします。軽くないわ。」
そんな私たちの様子を学園長は微笑ましく見ていた。