運命だと初めて信じた恋。
「お姉ちゃん?」
「あ、ごめんごめん。早く選ぼ」

私はハッとして気を紛らわすかのように
店の中をうろうろした。

だけどチラチラとあの人が見えて
気になってしょうがない。

「沙夜加!亜衣花!行くよ!」
「待ってよー」


私は店を出るときにあの人の横を通った。

少しでも気付いてほしいなんて思いながら。


ダメと思いながらも気にしてしまう。

こんなにしょっちゅう会うなんて忘れられるわけないじゃん…

私はどうすればいいんだろう…。


会いたくないのに会ってしまう。
それなのに心のどこかで喜んでる私がいる。

神様の悪戯かな…


諦めたいのに…忘れてしまいたいのに…

< 16 / 66 >

この作品をシェア

pagetop