REAL-リアル-
「純って男の子?」

俺は素直にそう思ってしまった

だって
純だぞ?


男でもあり得るだろ






すぐそばに
朱莉の彼氏がいるというのに


言うのは間違えた





「ぐほっ」

案の定首を絞められた



「ちょっ
苦しい」







手加減ないんだからこいつ



「ふざけんなー」

智のヤバいところに触れてしまった




単純に思っただけなのに





俺は
手で
智の太ももをくすぐる



緩んだ隙に逃げ出す




「げほっゲホッ」

あー
喉が痛い



「お前卑怯だぞ」

智はこちょこちょに弱い


俺が知ってる
こいつの弱点



こちょこちょが
すごい効く



特に首


首に手を突っ込むと


『あひゃひゃひゃっっひゃー』

変な声をあげる







「お前は一瞬でも男だと
思わなかったか!?」

俺は
男だと思った

女でもあり得る名前だけども・・・





「あー
ちょっとはね・・・
でも口に出すなよ」


智がふてくされる





なんだこいつ
自分でも思ってんじゃん


「大丈夫だよ」
朱莉が智をなぐさめる

「純は女の子だよ」





俺が振り返ると

そこに女の子が立っていた




やっべー

顔が青ざめた

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