スーツを着た悪魔【完結】

このまままゆを押し倒して。膝を割り、足を開いて中に入ったら、どれだけ幸せな気分に浸れるだろうか……。

まゆの中はどんなふうに俺を受け入れてくれるんだろう?


そんな妄想に、彼女に『その気になるまで待つ』と言ったことを物の数分で後悔した深青だったが、同時にこの状況を自分なりに楽しめばいいとも考えていた。


そうだ。彼女が俺に抱かれたくなるように、もうお腹いっぱいだと言うくらいに、可愛がって磨いてやろう。

そしていつか彼女が俺のために体を開くその日を楽しみに待てばいい……。



「まゆ。お前、疲れてるんだろ?」

「――少しだけ……眠れなくて」



こっくりとうなずくまゆの目の下のくまは、相変わらずだ。

まゆの頬に手のひらを乗せ、親指で目の下を優しく撫でると、まゆは気持ちよさそうに目を閉じた。



「じゃあ、とりあえず休め」

「でも」

「いいから……ホットワイン効いてきたろ? 手のひらが少し赤い」



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