スーツを着た悪魔【完結】

――――……


合コンは、ミカの「とっておき」の相手を集めた、ということだった。


確かに当日いきなり集めたにしては『レベルが高い』らしい。

女性陣はみんなミカの合コン仲間で、男性たちはどこかの商社だったり、国家公務員だったり、広告代理店に勤めているんだとか。

さすがというか、なんというか。自分のようなつまらない女相手でも、なんとか会話のキャッチボールを成立させる力があるようだ。



「まゆさん、楽しんでる?」



何度もミカに確かめられて、そのたびに慌ててうなずいた。

と言っても、合コンなんて片手で数えるほどしか参加したことのないまゆにとって、リストラを宣告された当日に、合コンを楽しむという気持ちにはなかなかなれないのだけれど――

ミカが自分を楽しませようとしてくれている、その気持ちはとても嬉しかった。


けれど頭の中はこれから先のことを考えずにはいられなくて――



「――まゆちゃん?」

「――」



貯金もあるし、失業保険ももらえる。数か月は大丈夫だと思うけれど、簡単に次の仕事が見つかるだろうか。


うーん……
私もとりあえず派遣に登録してみようかなぁ……


ちびちびとウーロン茶を飲みながらうつむいていると。



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