氷と炎の関係性
-カイルsaid-
 「あ~今日も笑った、笑った」

 やっぱリリアは見てて飽きねーな。

 俺に勝とうと必死だし、俺がちょっと肩に触れただけで耳まで真っ赤にするし。

 それにしても、戦いの理由がわからないんじゃあ決着は付かないだろう。

 まあ、あいつを見てるのは楽しいんだがな。

 「カイル様。何かいいことでもあったのですか?」

 いろいろ考えていると顔が緩んでいたようで、執事のハリスに話しかけられた。

 ハリスは昔からこの城に仕えていて、おそらく60代前半であろう老人だ。しかしその見た目とは裏腹に、戦いではとても活躍してくれている。

 本来なら執事とかが戦いに出ると死んでしまった時に困るのだが、俺たちは【ある条約】を結んでいるから平気なんだ。



 それにしても・・・。リリアにはまいるな。

 毎日のように俺に貢いでくる国民の女たちとは比べ物にならないくらいの美女だ。

 とても綺麗な茶色のふわふわした髪、白い肌。それに細くて華奢なくせに出るとこは出てるんだよな。

 そのおかげでアイツの兵士たちだけでなく。うちの兵士たちまでアイツに見とれている。アイツ戦いの時の服は露出度高いからな・・・。

 それになんかいいにおいするし。香水でもつけてんのか?

 「まあな」

 そう適当に答えて、ハリスが持ってきたコーヒーを飲んだ。



 「今夜は満月・・・・か」
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