夢の欠片
気分が悪くなって俯いていると、父が心配そうに声をかけてきた。


「ごめんな?ひな……

本当は娘に話すような内容じゃないことはよくわかってる

でもひなはそれをきちんと知りたくてお父さんの所に来たんだろ?

だから俺は包み隠さず話すつもりだよ?

気分が悪くなるのは仕方ないけど、もう少し話を聞いてもらえるかな?」


私が何を感じて何を思ってるのか、父は全て理解しているようだった。


理解した上で全てを話したいと言ってきている。


そこまで言うならと、本来の目的を思い出して、全てを受け入れる覚悟をした。


それが合図のように父の目を見つめる。


父は私を見つめ返すと、さっきの続きをゆっくり話し始めた。


「朝、着信に気づいて、急いで家に帰ったら……

もうあやはいなかった

電話に出ないで朝帰りしたんだから、当然といえば当然なんだけど、あやは実家に帰ってしまったんだよ」


私がまだお腹にいる時に実家に帰ったの?


じゃあお父さんは私が産まれた時にはすでにいなかったってこと?



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