夢の欠片
空いてる机まで来ると、椅子にドサッと腰掛ける。


同時に前後左右の生徒が脅えたように、私にわからないくらいの加減で机を離すのがわかった。


それまでずっと固唾を呑んで見守っていた担任の先生が、ようやく腫れ物に触るように口を開く。


「藤森さん……よく来たわね?

後で職員室に来てもらえるかしら?」


めんどくさい……


だから来んの嫌だったんだよ……


あからさまに嫌な顔をして、担任を睨み付ける。


「あの……ね?

ちょっと話があるのと、休んでる間に渡さなきゃいけないプリントがたくさん貯まってるから……」


私を刺激しないようにと思ってるのか、下手に出ながらもなんとか来させようとがんばっている。


仕方ない、面倒だけど行ってやるか……


「わかった……」


そう返事をすると担任はホッとした顔をして、小さく頷く。


それから今度は全員に向けて連絡事項を伝えると、逃げるように教室を出ていった。


はぁぁ……職員室か……


大きくため息をつきながら、今、座ったばかりの席からダルそうに立ち上がる。


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