夢の欠片



「翔吾ぉ、私もう少しここにいてもいい?」


お盆休みに入り、ずっと休みなく働いていた翔吾と、久しぶりに朝から二人で過ごしていた。


翔吾が働いてる間、私は二人の父親を探し当ててすでに目的を達成している。


当初の予定では、夏休みいっぱいかかるだろうと思われていた父親探しも、お盆前には達成してしまっていた。


翔吾には父親を探したいからという理由で家に置いてもらっている。


それだけに目的を達成した今、家に帰れと言われるんじゃないかと気が気じゃなかった。


返事もなく扇風機の前でうだうだしている翔吾に、私はもう一度問いかける。


「ねぇ、翔吾!聞いてる?

もう少しだけいてもいいよね?」


扇風機の方を向いて風を浴びたまま、翔吾は呆れたように言う。


「ダメって言ったっているんだろ?

その代わり、夏休みが終わる1日か2日前には帰るんだぞ?」


「えぇっ!?何で最後までいちゃいけないの?」


「宿題!……とかあんじゃねえの?

中学生なんだから」


そんなのあったっけ?


学校にはボーッと過ごしに行ってただけで、先生の話なんかひとつも聞いてなかった。


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