夢の欠片
――えっ?長男?


小学五年生っていったら私と3つしか違わない。


健と別れた時……私は確か六歳だったはずだ。


記憶の糸を手繰り寄せながら、辻褄の合わない年齢に動揺する。


そんな私の思いを察したのか、健が困ったような顔をして言った。


「ひな……今度またゆっくり遊びにおいで?

その時はひなが疑問に思ってることちゃんと説明するから……なっ?」


たぶん子供たちには聞かせたくない話なんだろうと思う。


ちょうどジュースやクッキーを運んできた奥さんも、私を見て複雑そうな笑みを浮かべた。


きっと奥さんは事情がわかってるんだ……


さっきだって不安そうな声で私を名前を呼んでた。


奥さんにとって私は招かれざる客なのかもしれない。


そう思った途端に、急に悲しくなる。


健はそんな私を安心させるように優しく言葉をかけてくれた。


「大丈夫だよ

ひなが心配するようなことは何もないから……

この人は全部わかってる
ひなのこともね?」


子供たちを不安にさせないように細心の注意を払いながら、私への配慮も忘れない言い方に、私はこの子達と同じように愛されてるような錯覚を起こす。


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