夢の欠片
それも含めて今日、話を聞かせてくれるんだろうか?


あれこれ思いを巡らせていると、ちょうど電車がホームに入ってきた。


額の汗を拭って、ハンカチをパタパタとうちわ代わりに扇ぎながら電車に乗り込む。


その瞬間、涼しい風を感じた。


一駅だけしか乗れないのが残念なくらい心地いい。


しばらく何も考えずに風の出る場所を占領しながら、大量にかいた汗を少しでも引かせようと頑張ってみた。


だいぶ汗が引いた頃、電車はホームに辿り着く。


はぁ……


もう降りなきゃ、


仕方なく涼しい空間にさよならして、また灼熱地獄の中に降り立った。


こうなったら早く健の家について、エアコンで冷やされた部屋でゆっくりしたい。


さっきまで考えていたことはすっかりどこかへ飛んでしまって、私は涼しい場所に移動することだけを考えていた。


早く健のうちに着きたくて、急いで道を歩いていると、逆にまた汗が噴き出してくる。


それでも早くこの紫外線から逃れたくて、私は必死に歩いていった。



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