夢の欠片
この間おじゃました時と同じ、健の対面にあるソファーの右端にちょこんと腰かけると、奥さんがジュースを私の前のテーブルに置いた。


「ありがとうございます」


そうお礼を言って、私は遠慮なくジュースを一気に飲み干した。


全部飲み終えてグラスをテーブルに置きながら、急に恥ずかしくなって慌てて言い訳をする。


「あっ……すいません

暑くて喉が乾いてたんでつい一気に飲んじゃって……」


奥さんは、いいのよと言いながら、グラスにまたジュースを注いでくれた。


「外は暑いからなぁ

気にしないでどんどん飲んでいいんだぞ?」


健もまたそう言って、私が気にしないようにと気遣ってくれる。


思った通り、冷房の効いた部屋は、火照った体を少しずつ冷ましてくれた。


「お腹空いただろう?

もう出来るからそれまで寛いでるといい」


そう健が言ってくれたものの、私は手持ちぶさたになりながら辺りを見回して、あることに気づく。


「あの健……?

花純美ちゃんと健太くんは?」


どうも静かだと思ったら、子供たちがいないみたいだ。


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