勝手に好きでいさせて

【side恋歌】

「恋歌、ごめん。俺、今日委員会があるんだ」

そう言って、顔の前に手を合わせて言う麻優。

「じゃあ、私教室で待ってるよ」

「ごめんな。終わったらすぐに行くから」

麻優はそう言って、急いで廊下を走っていった。

教室へ行くと、伊久斗が自分の席に座っていた。

「あれ、伊久斗・・・」

「恋歌、なんでお前いんの?」

「いや、麻優が委員会あるみたいだから待ってようと・・・」

私は自分の席に座った。

「なぁ、恋歌。お前、麻優のこと好きなの?」

「えっ、なんでそんなこと聞くの?」

「今、質問したの俺。いいから答えろよ」

そう言いながら、伊久斗は私にどんどん近づいて来る。

そして、私は背中にひんやりするものを感じた。

「ねぇ、なんでおこ・・・ん・・・伊久斗・・やめ、て・・・」

痛っ!!

伊久斗がすごい力で私の手首を抑えてるせいでとても痛い。

「なぁ、答えろよ。麻優のこと本気で好きなの?」

「ねぇ、伊久斗、どうしたの?」

「うるっせぇ!!俺の質問に答えろよ」

怖い・・・。

伊久斗がとても怖く感じる。

怖いけど、伊久斗の目が寂しそうに見える・・・。

ーガラッ

「おい、伊久斗!!てめぇ、恋歌になにしてんだよ!!」

そう言うと、麻優は伊久斗のことを殴った。

「お前、どういうつもりだ!!そんなことすんなら自分の気持ち正直に言えよ」

「ちょっと、麻優!私は大丈夫だから・・・帰ろう?」

「恋歌・・・・・あぁ、帰ろう」



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