勝手に好きでいさせて

また楽しい日々へ


【side恋歌】

この体勢になってから結構たってるような気がする。

「ねぇ、伊久斗?」

「・・・」

「いく・・・っ!?伊久斗!!」

何も言わないから、不思議に思ってちょっと伊久斗のことを押すと、伊久斗は下駄箱にもたれかかるように倒れた。

「伊久斗、ねぇ、どうしたの!?」

伊久斗は、とても苦しそうにしていて、顔が真っ赤になっている。

おでこに手をあててみると、とても熱かった。

「伊久斗、すごい熱!!」

どうしよう?

もう放課後で遅い時間だから誰もいないし・・・。

その時、倒れた時にポケットから落ちたのか、伊久斗の携帯が目に入った。

伊久斗の携帯を見れば、家族の連絡先がわかる!

「伊久斗、ごめんね。携帯見させてもらうよ」

そう言うと、伊久斗は弱々しく頷いた。

家族らしい人どれかな・・・?

あっ、お兄さんの連絡先、あった!!

プルルル・・・プルルル・・・ガチャッ

『伊久斗、どうした?』

「あぁ・・・あの、お兄さん。私、恋歌です」

『うん?恋歌ちゃん?・・・どうして?』

「あの、今、伊久斗と一緒にいたんですけど、すごい熱があるみたいで倒れちゃったんです」

『あぁ、そうなんだ。じゃあ、今学校にむかえに行くから待っててもらえる?』

「はい、待ってます。あの、できるだけ早く来てあげてください。伊久斗、本当に苦しそうなんで」

『はいはい、OK~』

そう言って、電話は切れた。

本当にわかってるのかな?

伊久斗のお兄さんとは会ったことあるけど、お兄さんのとてもマイペースな人だからちょっと心配・・・。

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