勝手に好きでいさせて

実夜琵くんと話す内容は普通に学校生活の中でおもしろかった話とかでけっこう楽しかった。

悠は悪そうな感じの人みたいに言ってたけど、そんなんじゃないと思うな~。

ていうか、普通の人と同じでおもしろい人だし。

「じゃあね、恋歌先輩」

「うん、バイバイ」

そう言うと、実夜琵くんはまた来た道を戻って行った。

実夜琵くんの家は逆方向だったのかな。

なんで家まで送ってくれたんだろう?

でも、実夜琵くんと話すのけっこう楽しかったな~。

「恋歌、今の誰?」

「えっ!?星太にぃいたの!!」

玄関の前に立っていたらいきなり後ろから声をかけられた。

「何、あれ彼氏?」

「違うよ、ただの後輩だよ」

「へぇ~、あいつはお前のことただの先輩としては見てなかったみたいだけどな」

「えっ、どういうこと?てか、星太にぃは実夜琵くんのことを見ただけで何がわかるの?」

「いや、よくはわかんないけど・・・あいつはなんかありそう」

どうして悠も星太にぃも実夜琵くんのこと悪い人みたいに言うんだろう?

「実夜琵くんはいい子だと思うよ」

「まぁ、俺はあぁいうのダメだな」

そう言って、星太にぃは家の中に入った。

みんな実夜琵くんの何が気にくわないんだろう?

別に普通の子だと思うだけどね。

私も家に入ろう。


この時、悠や星太にぃの言うことをちゃんと聞いていればあんな思いをすることもなかったのに・・・。

後々、私は色々と実夜琵くんに悩まされることになる・・・。
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