紅蓮の鬼外伝
「俺、そんなに変?」
さっき言われたことが気になる。
『変なんじゃないの?ものすっごい恐れられたしサ』
「……当てになんねー…」
俺は上を見て、フウ…と息を吐く。
さて、帰ろう。
そう思って地に目を落とすと、そこにはたくさんヒトが倒れていた。
「…うわ……」
『踏んだらダメだからな』
「分かってっけどよー……歩きにくっ」
まるで汚すぎて足を踏み入れる場所がない部屋みたいな。
「千秋、お前ホント誰と話してんの?」
ふと、そんな声が上から降ってきた。
「あ」
『お?』
顔を上げて、声がした方を見ると、屋根の上にわんこがいた。