モカブラウンの鍵【完結】
仕事帰り、どっちかの家に行くのが、最近は当たり前になっていた。
奈央美の部屋にも、俺の部屋にも、お互いの私物や着替えが昔からあったように紛れている。
手ぶらで行っても、着替えの心配が一切ない状況。
さすがに7月だから冬物はないけどね。
久しぶりに俺の家で、夕飯を食べ、リビングでくつろいでいた。
「涼太、ペンション作るんだって」
「うん。高校時代の友だちの希望でね」
「奈央美は? 社長と話してただろ」
「中野工房の中野先輩と一緒に、フランス料理店を手がけることになったの」
中野先輩か。気にしないようにはしているけど、気になるんだよな。
「フランス料理店で2つの事務所が組むって、随分大掛かりじゃないか?」
「ちょっと特殊なの。2つ並ぶ古民家をくっつけて、1つのレストランにするのよ。だから技術力の高い中野工房とデザイン関係のうちが、共同でやることになったの」
それだと今年いっぱいは中野さんとの仕事が続くんだ。
奈央美の部屋にも、俺の部屋にも、お互いの私物や着替えが昔からあったように紛れている。
手ぶらで行っても、着替えの心配が一切ない状況。
さすがに7月だから冬物はないけどね。
久しぶりに俺の家で、夕飯を食べ、リビングでくつろいでいた。
「涼太、ペンション作るんだって」
「うん。高校時代の友だちの希望でね」
「奈央美は? 社長と話してただろ」
「中野工房の中野先輩と一緒に、フランス料理店を手がけることになったの」
中野先輩か。気にしないようにはしているけど、気になるんだよな。
「フランス料理店で2つの事務所が組むって、随分大掛かりじゃないか?」
「ちょっと特殊なの。2つ並ぶ古民家をくっつけて、1つのレストランにするのよ。だから技術力の高い中野工房とデザイン関係のうちが、共同でやることになったの」
それだと今年いっぱいは中野さんとの仕事が続くんだ。