モカブラウンの鍵【完結】
草原に古い家屋が立っている風景は、1970年代の古い映画を思い出させた。

家族が仲睦まじく大自然で暮らすような映画を。


「この建物はどうしたい?」

「あ~」と叫びながら、背伸びをし、屈伸をするノブに聞く。

「壊すつもり」

家屋の周りを見て、窓ガラスから中を覗く。

古いテーブルや黒板が見えた。


「なあ、あの黒板。上手く利用しないか」

俺が指差す方をノブが見つめる。


「いいかもな。リョウならどこに使う?」

「そうだな、受付兼ラウンジかな」

「レストランの方じゃなくて?」

「ああ、食べるところは衛生面に注意しないといけないから。それに受付にさ、黒板があったら、ノブは何を書く?」

ノブは壁にもたれかかり、腕を組んだ。

「楽しかった。また来たい」

「そう。うまくいけば、その黒板が広告になるんじゃないか」

「そっか。やるじゃん、リョウ」


アイディアや意見を出し合いながら、土地をゆっくりと観察する。

まだ、何もない土地に完成したペンションを想像した。

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