クールな彼と恋愛中

「黙れ」




「でもさー、美園っちって優しいよなー。なんていうか...、癒し系？」




俺の声は、全く宏には聞こえていない。



こいつ...、いろいろとムカつく。





美園が癒し系......？



......癒し系...、あ、確かにそんな感じ。



ふわーってしてて、バカで......、可愛いよな。




「いいなー。俺、美園っち欲しい」



「やらねぇよ。...お前も、好きな女つくれば？」




宏、顔はまぁまぁいいから...、女好きなところ治れば、彼女できると思うけど。




「俺ねー...、今のところつくらない」



「もったいねーな」




『だろ？』と言う宏の眼は、どこか寂しそうだった。




...こいつにも悩みとかあるんだろうか。




俺だったら聞いてやるから...、相談してくれてもいいんだけどな。




「お、綺麗なオネーサン発見！」




......前言撤回。



こいつは無理だ。



彼女なんかできない。