~デンファレ~

~めぐり逢い~

 貸し切りにも関わらず

 VIPルームにお客様がいるらしい。


今日は社長さんに付きっきりになる

 
 梨莉子さんの代わりにお客様の


 相手をして欲しいと頼まれました。

 
 「他の皆さんは?」


 正直私じゃ無理でしょうと思ったので


他のホステスさんの事を聞いてみました。


 「護崎様(社長さん)お連れ様が居るから皆
  こっち

 に付くのよ!……大丈夫!大丈夫!

相手って言ってもホステスみたいな事しなくて

いいのよ!なんて言うか、見張りみたいな?」


(えっ!見張り??なぜ見張り??)

  
と思っている私に


 梨莉子さんは、話を続けた。


「今 "なぜ見張り??" って思ったでしょ!」


私は、頷いた。


 「あいつが自棄(やけ)起こさないか、


 心配でね……!今日は人生で


     ″最悪な日″だから。」


 「……さい…あく…?……」


私が呟くように言った言葉、それを聞いた


 梨莉子さんは少しだけ寂しいような悲しいような


顔して話を続けた。

  
「……うん……お世話になってる人の

 お孫さんでね…

 毎年、ここに来て過ごすのが習慣でさぁ
 
 そのたび、荒れて……本当は店終わってから

 来るけど、今日は虫の居所が悪かったみたいで
 
  ずっと籠もってんの!…見てたいけど

 こっちも仕事だから。……あんたしか

 頼めないの!それに毎年来てること
  
何人かのスタッフしか知らないんだ。……。」

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