臆病な恋心~オフィスで甘く守られて~
佐久間との電話が終わってから、15分間…麻由子は今日登録したばかりの航平の電話帳画面を眺めていた。


「いつでも連絡して」と言ってくれた。

でも、でも…迷惑かもしれない。


「遠慮しなくていい」とも言ってくれた。


でも、こんな時間だし。時間はもう23時過ぎ。寝ているかもしれない。


麻由子が発信ボタンに手を置いてから、数分が過ぎていた。


「エイッ!」


思い切って押した。


‘はい。麻由子ちゃん?’

2回コールした後、優しい航平の声が聞こえた。麻由子の目には涙が溜まる。


‘どうしたの?何かあった?’


何も話さない麻由子を航平は心配する。

遅い時間だし、何事だろう?

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