臆病な恋心~オフィスで甘く守られて~
麻由子が承諾してくれるという自信はあったけれど、100%の自信ではなかった。

知り合いが誰もいない遠い地に行くことを嫌がり、断られるかもしれない…という不安もあった。


承諾の返事に安心して胸を撫で下ろした航平はやっと目の前のムースを食べることが出来る。


「うん、うまいな」


麻由子も残りのムースを薬指に輝く指輪を見ながら食べた。

今すぐに結婚するわけではないけれど、約束をしたことで不安だった気持ちが薄れていく。


キラキラ輝く指輪は麻由子の気持ちを悲しみから喜びへと変えてくれた。魔法の指輪である。


「ずっと大事にする。絶対幸せにするよ」

 
「はい、私も幸せにします」
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