臆病な恋心~オフィスで甘く守られて~
「みかんも美味しいですよね」

「みかんも好き?だったら、次のお土産はみかんにするよ」


駅から会社までは、たった徒歩5分の距離。気付けば、会社は目の前に迫っていた。


「速水、おはよう」


営業課の主任が声を掛ける。

航平と麻由子の間にまた邪魔が入る。


「じゃ、またね」


航平は主任と今日の予定を話しながら、歩いて行く。

お土産の話になってしまい、麻由子の計画は失敗に終わる。


好きな物、聞き出せなかった…どうお礼をしたらいいのだろう?

麻由子は千尋に相談した。


「お礼に食事でも…と一緒にご飯を食べに行けばいいじゃない?」

「ご飯か、そうだね」


なるほど。でも、誘えるかな。

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