恋獄 ~ 囚われの花 ~【完】
集計表の下の方、15位のところに『藤堂花澄』の名があることに気付き、花澄は目を見開いた。
票数は、3票。
「え……うそ……」
「どしたの、花澄ちゃん?」
花澄の向かいに座っていた雪也が、訝しげに花澄の手元を覗き込む。
雪也は花澄の視線の先を見、一瞬眉を陰らせた後、すぐに笑顔を向けた。
「すごいね。花澄ちゃん、3票入ってるよ?」
3票入っているということは、花澄に好意を持ってくれている人が校内に少なくとも3人いるということだ。
投票は男女、そして教師込みで行われるため、それが男性かどうかは何とも言えないのだが……。
ちょっと、嬉しい。
とほんわかした花澄の横で、雪也は難しい表情で何やら考え込んでいる。