恋獄 ~ 囚われの花 ~【完】

2.『選ぶ』『選ばない』




――――明後日の昼休み。

花澄は昼食を終えた後、図書室へと向かった。

いつも昼休みは知奈や他の友人たちと話をして過ごすのだが、今日はそういう気分になれず……。


明日は、環に返事をする期限だ。

そして明後日には、環の奨学金の審査が行われる体育祭がある。

「……っ……」


花澄は図書室の端に置かれたテーブルで、頭を抱えて考え込んでいた。

色々なことが頭を巡り、もう何をどうすればいいのかわからない。

……けれど環は待ってはくれないだろう。

明日、環に返事をしなかったら……自分達の仲は、どうなってしまうのか……。


花澄は息をつき、環の顔を脳裏に思い浮かべた。

環を選ぶと言うことは環と付き合うということになる。


――――まるで想像がつかない。



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