恋獄 ~ 囚われの花 ~【完】

3.暴かれた真実




――――そして、日は過ぎ……。


3月5日。

卒業式の翌日。


「…………」


9:00。

花澄は寝不足の目をこすり、ゆっくりとベッドから起き上がった。

一睡もできなかった。

……今日はフライトの日だ。

けれどまだ、花澄の心の中では結論が出ていない。


『おれは先に家を出る。お前は怪しまれないように、午後になったら買い物にでも行くふりをして鎌倉を出ろ。15:30に出発ロビーで待っている』


昨日の夜に環から届いたメール……。

花澄は何度もそれを読み返した。

携帯を持つ手が震え、胸がバクバクと動き出す。


――――どうしよう……


< 446 / 476 >

この作品をシェア

pagetop