恋獄 ~ 囚われの花 ~【完】



驚き、思わず手を止めてしまった花澄の後ろで、ざわざわと話し声がする。

どうやら雪也のあまりの上手さに、ギャラリーが集まり始めたらしい。


『あの人、ちょー上手くない? あんな点数見たことないよ』

『てゆーかあの人、めちゃカッコいいんだけど。モデルか何か?』


後ろから聞こえてくる女子高生たちの話し声に、花澄は何とも言えない気持ちで雪也を見た。

確かに、雪也は格好いいし目立つルックスをしている。

そんな雪也の横に立ってるのが、ジーパンにTシャツ姿の自分……。

…………。

なんか、いたたまれない。

やがてゲームが終わり、二人は太鼓の前から離れた。

ゲームセンターは学生達やカップルで混雑しており、どのゲームの前も人で埋まっている。

……と。

クレーンゲームの方に顔を向けた花澄の顔が、固まった。



……アレは。




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