恋獄 ~ 囚われの花 ~【完】
「へぇ、環がねぇ。あいつが実用品じゃないものにわざわざ応募するなんて、珍しいな」
「確かにそうかも……」
「あいつああ見えて、案外キャラものが好きとか? ユルいものに癒しを求めたくなったとか?」
「……いや、脳が溶けてるとか言ってたからそれはないと思う」
「え?」
「ううん、なんでもない」
花澄は慌ててぶんぶんと首を振った。
……環がどうしてアレに応募したのかはわからない。
丸太だの脳が溶けてるだの言っていた以上、あのキャラが好きで応募したわけではないのは確かだ。
手当たり次第応募した中にたまたま入っていた。……というのが可能性としては一番ありそうだが。
考え込んだ花澄の前で、雪也はクレーンの台に歩み寄った。
「さてと。……じゃあさっそく、捕獲しよっか?」
「え?」
驚き、顔を上げた花澄に雪也はニコリと笑う。
その自信に満ちた笑み。