恋獄 ~ 紅き情炎の檻 ~




胸にこみ上げる、黒い嫉妬。

過去の自分への後悔。

7年前からずっと血を流し続けている傷は、今、さらに傷口を広げている。

その痛みにもがきながら、嫉妬と後悔に絡め取られ、暗い恋獄へと転がり落ちていく。


これは、7年前の報いなのだろうか……。


黒い感情が胸を苛み、その苦しみに、痛みに、心が悲鳴を上げる。

環が傍に居てくれるのは、嬉しい……

けれど、もう……この苦しみに、耐えられない……。


自分の心が、かつてない昏い色へと染まっていく。

花澄は苦しみの中、ある一つの決心を固めた────。


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