恋獄 ~ 紅き情炎の檻 ~



「まあ、平たく言うとデートですね。これが私にできる最大限の譲歩です」

「……?」

「もし今ここでイエスと仰らないのであれば、明日から一日につき100万円ずつ、貴女の口座に振り込みます」

「え……ええっ?」

「後になればなるほど、あなたは抜き差しならない状況に追い込まれることになります。私に週末を拘束される期間が、一か月単位で増えていくことになりますからね?」


暁生は楽しげに言う。

花澄はゾッとし、目を剥いた。

……はっきり言って、暁生の思考回路がわからない。

しかし暁生はやると言ったら必ずやる人間だ。

そんな気がする。


「……っ……」


花澄はぐっと唇を噛みしめた。

恐らく暁生にとって、自分は日本滞在中の暇つぶしのおもちゃか何かなのだろう。

にしてもなぜ、ここまで自分に執着するのだろうか……。

自分でなくても、暁生であれば相手に困りはしないだろう。

なのに、なぜ……。



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