恋獄 ~ 白き背徳の鎖 ~



体の奥を襲った激しい衝撃に、花澄は目を見開いた。

そのまま立て続けに深く抉られ、快楽が暴走を始める。

……信じられないほどの気持ちよさ。

まるで波に溺れるかのように、何かに縋らないと正気を無くしそうだ。


これは……一体……。


花澄は必死に雪也の背に手を回し、しがみついた。

まるで嵐の中に放り出された小舟のように、荒々しく揺らされ、突き上げられ、飲み込まれる。

体中で感じる激情に、注ぎ込まれる快楽に、空虚だった心が熱く満たされ蕩けていく。


あの幼い日の出会いから、ずっと自分を愛してくれた雪也。

自分の心の弱さや醜さを知っても、変わらぬ気持ちを向けてくれた雪也。

そして、今……。

互いの醜さをぶつけ合ってでも、これまでとは違う関係を築こうとしている雪也……。

そのしなやかな強さに、心の底から惹かれていく。


甘く爛れるような夜闇の中、熱情に巻かれ、二人で恋獄へと堕ちていく。

……もう、元の関係には戻れない……。


花澄は自分のものとは思えない甘い喘ぎ声を上げながら、雪也の腕に身を任せた……。


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